( 123870 ) 2024/12/15 18:13:20 0 00 lielos/iStock.com
国税庁長官官房企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年代別にみた平均年収は以下のとおりです。
《平均年収》
年齢 平均年収
・20~24歳 267万円(男性279万円・女性253万円) ・25~29歳 394万円(男性429万円・女性353万円) ・30~34歳 431万円(男性492万円・女性345万円) ・35~39歳 466万円(男性556万円・女性336万円) ・40~44歳 501万円(男性612万円・女性343万円) ・45~49歳 521万円(男性653万円・女性343万円) ・50~54歳 540万円(男性689万円・女性343万円) ・55~59歳 545万円(男性712万円・女性330万円) ・60~64歳 445万円(男性573万円・女性278万円) 40歳代・50歳代になると平均年収は500万円を超えてきます。
では、比較的高年収である40歳代・50歳代の世帯はどれくらい貯蓄をしているのでしょうか。また、老後が近づく60歳代はどれくらい老後生活に向けた貯蓄があるのでしょうか。
本記事では、金融広報中央委員会が公表するデータを基に、40歳代~60歳代の貯蓄額を解説します。老後にもらえる年金額についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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一般的に高年収である40~50歳代はどれくらい貯蓄をしているのでしょうか。
●40歳代二人以上世帯の金融資産保有額 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、40歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
なお、貯蓄には預貯金のほかにも株式や投資信託、積立型保険、個人年金保険などを含みます。
・非保有 :26.8% ・100万円未満 :9.6% ・100~200万円未満 :8.9% ・200~300万円未満 :4.9% ・300~400万円未満 :5.7% ・400~500万円未満 :3.8% ・500~700万円未満 :7.4% ・700~1000万円未満 :5.6% ・1000~1500万円未満 :7.4% ・1500~2000万円未満 :3.5% ・2000~3000万円未満 :5.3% ・3000万円以上 :6.5% ・無回答 :4.5% ・平均値 :889万円 ・中央値 :220万円 中央値は220万円となっていて、多くの世帯ではあまり貯蓄ができていないことがわかります。
ただし、貯蓄が2000万円以上ある世帯も11.8%あるため、世帯による差は大きいです。
次に、50歳代夫婦の貯蓄額を確認しましょう。
●50歳代二人以上世帯の金融資産保有額 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
・非保有 :27.4% ・100万円未満 :9.1% ・100~200万円未満 :6.4% ・200~300万円未満 :3.8% ・300~400万円未満 :3.9% ・400~500万円未満 :3.8% ・500~700万円未満 :5.6% ・700~1000万円未満 :5.5% ・1000~1500万円未満 :8.9% ・1500~2000万円未満 :4.2% ・2000~3000万円未満 :5.4% ・3000万円以上 :11.2% ・無回答 :4.8% ・平均値 :1147万円 ・中央値 :300万円 40歳代と比べると貯蓄額は少し増え、中央値は300万円となっています。ただし、貯蓄がまったくない世帯の割合も27.4%と高いです。
そのため、50歳代になっても貯蓄が思うようにできていない世帯が多いことがわかります。
40歳代・50歳代は十分な貯蓄ができていない世帯が多いことを確認しましたが、老後が迫った・もしくはすでに老後を迎えている60歳代はどうなのでしょうか。
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、60歳代二人以上世帯の貯蓄額は以下のとおりです。
●60歳代二人以上世帯の金融資産保有額 ・非保有 :21.0% ・100万円未満 :5.9% ・100~200万円未満 :4.5% ・200~300万円未満 :4.3% ・300~400万円未満 :3.0% ・400~500万円未満 :1.9% ・500~700万円未満 :7.2% ・700~1000万円未満 :6.7% ・1000~1500万円未満 :6.8% ・1500~2000万円未満 :5.4% ・2000~3000万円未満 :9.5% ・3000万円以上 :20.5% ・無回答 :3.2% ・平均値 :2026万円 ・中央値 :700万円 退職金を受け取れることなどもあり、60歳代になると貯蓄額は一気に増加します。中央値は700万円です。
ただし、700万円でも老後に向けて十分な貯蓄とは言い切れないかもしれません。また、貯蓄がまったくない世帯も21%もあります。
十分な貯蓄がない60歳代も多いことを確認しましたが、老後は年金をもらえます。
そのため、年金だけで生活費を賄えるのであれば貯蓄は必要ないかもしれません。では、老後はどれくらいの年金を受け取れるのでしょうか。
以下の条件で、現役時代の平均年収別にみた年金受給額をシミュレーションしてみましょう。
・1973年生まれ ・23歳から64歳まで会社員として勤務 ・65歳から年金受取を開始 シミュレーションの結果は以下のとおりです。
●平均年収ごとの目安年金受給額(額面) 平均年収 年金受給額の目安(額面)
・200万円 月10万7000円 ・300万円 月12万7000円 ・400万円 月14万2000円 ・500万円 月16万2000円 ・600万円 月18万1000円 ・700万円 月19万6000円 ・800万円 月21万3000円 ・900万円 月23万4000円 平均年収500万円の場合、年金受給額は月16万2000円です。
夫婦ともにこの金額をもらえれば年金だけで生活できるかもしれませんが、片働きの世帯が年金だけで生活することは一般的に難しいでしょう。
勤務期間によっても受給額は異なりますが、ぜひ一つの目安にしてみてください。
老後に向けて、必要な対策は人それぞれです。
年金受給額が少ない人や生活コストが高い人は多くの貯蓄が必要ですし、年金受給額が多くて生活コストが低い人はそこまで貯蓄は必要ないかもしれません。
ぜひ、自分の世帯が老後にどれくらい貯蓄が必要なのかをシミュレーターして、今から対策を始めてみてください。
・国税庁長官官房企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査」 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」
苛原 寛
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