( 123824 ) 2024/01/28 19:14:04 0 00 Joe Biden Photographer: Ting Shen/Bloomberg
(ブルームバーグ): 11月の米大統領選で再選を目指すバイデン大統領は最近、選挙対策の首脳人事を見直したが、トランプ前大統領との本選挙での再対決がほぼ確実視される中、バイデン氏の弱点を巡り民主党内部で懸念が広がっていることが背景にある。
バイデン氏は今週、選挙運動のてこ入れを図るためホワイトハウスの側近2人を同氏の選挙対策本部があるデラウェア州ウィルミントンに異動。これはトランプ氏が共和党候補として指名される見通しがほぼ確実な情勢となる中での動きだった。
複数の民主党議員が匿名を条件にインタビューで語ったところによると、バイデン氏の選挙運動はこれまでのところ不調で、81歳という同氏の年齢が懸念材料となっているほか、物価高とパレスチナ自治区ガザでの紛争への対応を巡り民主党は票を失いつつある。現時点ではバイデン氏の勝算は薄いとみているという。
バイデン氏の支持者の多くは、最も有利に戦える相手はトランプ氏だと考えているが、世論調査ではトランプ氏のリードが相次いで示されていることを踏まえ、これら民主党議員や一部の同党関係者らはバイデン氏が再選を果たせるか不安を抱いているという。
選挙運動の舞台裏で広がる警戒感は、バイデン氏再選への道筋に対する懸念を浮き彫りにし、公の場で示される団結の姿勢とは対照的だ。バイデン陣営は24日、ニューハンプシャー州予備選の結果を受けて同氏とトランプ氏による再対決が確実視され、選挙運動が本格化するとの見方を示した。
元下院議員でバイデン氏の顧問を務めるセドリック・リッチモンド氏は、「われわれは後れを取っているつもりで臨む」と述べた。
バイデン氏の選挙戦は昨年以降、幾つかの困難に見舞われている。バイデン氏がジュリー・チャベスロドリゲス氏を選挙対策本部長に起用したことで、2020年大統領選で選挙戦を取り仕切ったアニタ・ダン氏やジェニファー・オアマリーディロン氏ら最側近がホワイトハウス側で多くの権限を持つことは明らかだった。
だが、大統領の上級補佐官を務めてきたオアマリーディロン、マイク・ドニロン両氏が今週、バイデン氏の選対本部に移ったことで、明らかな食い違いを示す一例となった。
バイデン陣営はチャベスロドリゲス氏が引き続き選対本部の責任者であると主張する。だが、バイデン氏自身の声明では、オアマリーディロン氏が「24年にわれわれの陣営を再び勝利に導く」と説明したものの、チャベスロドリゲス氏については言及しなかった
12年大統領選でオバマ元大統領の再選を主導したジム・メッシーナ氏は、選挙戦の初期段階にあるバイデン氏の側近らに対し支出に気を付けるよう内々に注意を促したという。オバマ陣営はこの段階で資金を自由に使い、積極的な人員採用を行ったものの、その後、寄付が伸び悩んだため採用の凍結を余儀なくされたとメッシーナ氏が語ったと、この会話の内容に詳しい複数の関係者が明らかにした。
民主党内にあるこうした懸念は、勝ち目はないとみられるもののバイデン氏に対抗して民主党候補指名を目指すフィリップス下院議員の発言にある程度重なる部分がある。
フィリップス氏は今週ブルームバーグテレビに対し、「バイデン氏が当選する見込みがある候補者だという幻想から目を覚まさなければならない」とし、「われわれは皆、ワシントンで何が起こっているか知っている。私はただ、目立たない部分を声高に指摘しているだけだ」と述べた。
関連記事:
原題:Biden’s Allies Privately Warned Campaign Ahead of Staff Shakeup(抜粋)
--取材協力:David Welch、Kailey Leinz.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Josh Wingrove
|
AD AD |