( 123779 ) 2024/01/27 12:19:58 0 00 北朝鮮が過去2週間に大量のミサイルの発射を行った。緊張が高まる中、朝鮮半島沖の海域に進入した米空母打撃群=2022年9月29日
中国軍が衛星を使った極超音速ミサイル攻撃で、米空母打撃群を壊滅させる模擬演習をコンピューターシミュレーションで成功させたとする中国の報告書が公開された。米空母打撃群への長距離ミサイル攻撃は困難とされてきたが、今回の実験で理論上可能であることが示された。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが報じた。
米空母打撃群が洋上をフルスロットルで航行すると、航空団を含むその戦闘行動半径は1000キロにも及ぶ。その打撃群に対し、1200キロ離れた位置から、中国の極超音速対艦ミサイルが空に向かって一斉に発射され、200キロ以上上昇した後、米艦隊をロックオン。ミサイルが発射されても約10分間は米軍側のレーダーは捕捉できない。レーダーが捉えた時、ミサイルはすでに50キロまで急接近し、目標を即時に壊滅させた。
これが中国南西部・成都にある研究所で行われたコンピューターによるシミュレーションだ。この模擬演習では、中国軍が宇宙兵器を使って米空母打撃群を攻撃するシナリオだ。空母打撃群とは、航空母艦を中核とした機動部隊の戦術単位の一つ。空母の航空団や、巡洋艦や駆逐艦などの護衛艦とその搭載武器システムにより、対空・対地・対水上および対潜のいずれに対しても最強といわれる優れた戦闘能力を備える。
ポスト紙によると、この実験を主導したのは、これまで存在があまり知られていなかった電子情報科学技術研究所の研究員リュー・シーチャン(Liu Shichang)氏。同研究所は国有企業・中国電子科技集団公司の傘下で、中国軍向け電子戦機器の開発に取り組んでいるとされる。
リュー氏らがまとめた報告書は、宇宙空間に配備された中国軍の電磁兵器システムが、はるか上空から護衛艦のレーダーを抑制するため、ミサイルが探知されないと説明。「古来より高い位置から軍を指揮することは、戦いにおいて常に極めて重要な戦術だった」とした上で、「戦争概念の進化とテクノロジーの進歩により、宇宙は世界の軍事大国が激しく争う新たな高みとなった」と記した。当局による査読を経て報告書は先月、中国の軍事専門誌「船上の電子対策」に掲載された。
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