( 123768 )  2023/12/30 16:06:28  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 3年連続の大幅円安は2024年に終わりを告げそうだ。日本銀行が世界最後のマイナス金利政策から脱却する一方、海外の主要中銀が利下げに向かうことで、来年は円高が進むと市場関係者は予想している。 

 

23年に円相場が反発するという予想は早くも2月の時点で外れ始めたが、来年は異なると市場関係者はみる。1年前、トレーダーは日銀の植田和男新総裁が超金融緩和政策を解除するかもしれないと考えていたが、今では数カ月以内に政策転換が訪れるとの見方でエコノミストと足並みを揃え、日銀執行部も将来の緩和解除の意味合いについて公に論じている。 

 

みずほ証券金融市場部の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは「日銀は大きく金融引き締めはできないだろうが、マイナス金利解除については意思を固めているようだ」と指摘。「来年は円に強気な人にとっては良い年になるだろう」と予想する。 

 

海外情勢も1年前と比べて見通しやすくなっている。昨年は米国の金利が23年中にピークを迎えるとみられていたが、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された政策立案者らの予測では24年に75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げが示された。 

 

ブルームバーグがまとめた予測中央値では、日本と米国との金利差の縮小により24年末までに1ドル=135円まで円高・ドル安が進む見通し。1年前(22年12月16日時点)の23年末の強気予想は131円だった。18日午後5時10分時点の円相場は前週末比0.2%円安の142円46銭で推移している。 

 

トロウ・キャピタル・マネジメントの創設者で最高経営責任者(CEO)のスペンサー・ハキミアン氏は、「米連邦準備制度理事会(FRB)は23年に100bpの利上げを実施した一方、日銀はマイナス金利を維持した。これが円の逆風となっていた」と語る。「24年には逆のシナリオが実現し、円高方向に動く」とし、24年末の円相場を1ドル=135円付近と予想する。 

 

 

23年の円・ドル相場の方向性を大きく左右してきた米10年国債利回りはこの1カ月で約50bp低下した。 

 

ソシエテ・ジェネラルのチーフ為替ストラテジスト、キット・ジャックス氏は「米国の債券利回りはピークに達し、FRBも利上げを終え、ドルは24年にさらに下落するとみられる」と指摘。「円は大幅に上昇するはずだ」と語る。 

 

とはいえ、円相場の変動は大きくなる余地がある。日銀が今月18、19日の政策決定会合でマイナス金利政策の解除に踏み切るとの観測が高まり、円はわずか1日で4%近く上昇。その後2日連続で下落した後、再び円高となった。 

 

1月と3月の日銀政策決定会合は、日銀ウォッチャーの多くが政策変更の可能性が最も高いとみる4月会合に向けて思惑をさらに強めるイベントになる。インフレ率は日銀が目標とする2%を1年半以上上回っているが、日銀は賃金の堅調な伸びのさらなる確証を得ようとしており、それは来年の春闘で示される可能性がある。 

 

「日本経済の長期的な構造的改善が十分に進んでいる」。スタンダード・バンクのG10戦略責任者、スティーブン・バロー氏はデフレ脱却や株式市場の上昇など前向きな変化を挙げ、金利差縮小の有無にかかわらず、長期的に円高が進むと予想。1年後の円相場は1ドル=125円と見込む。東証株価指数(TOPIX)は年初から20%以上上昇している。 

 

12月5日までの米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、アセットマネジャーはここ数カ月、円に弱気なポジションを減らしている。一方、ヘッジファンドは依然円に対して懐疑的で、高水準の売りポジションを維持している。 

 

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケットエコノミストは「円高は不可避だが、深刻ではない」が基本、とした上で24年末の円相場を132円と予想。日本の貿易赤字は東京外国為替市場で「円を売りたい人が多い」という状況が変わらないことを意味すると指摘した。 

 

以下は投資家やストラテジストによる来年の円相場に関するコメント: 

 

 

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジスト 

 

三井住友DSアセットマネジメント運用部の横内武志シニアファンドマネージャー 

 

オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター 

 

大和証券金融市場調査部の多田出健太チーフ為替ストラテジスト 

 

三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの井野鉄兵チーフアナリスト 

 

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト 

 

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ取締役副社長、チーフ・インベストメント・オフィサーの新原謙介氏 

 

--取材協力:Masaki Kondo. 

 

(c)2023 Bloomberg L.P. 

 

Daisuke Sakai, Yumi Teso 

 

 

 
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