( 123699 )  2023/11/16 21:33:02  
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首相主導の「希薄化」懸念 内閣官房肥大化で問われる民間議員の覚悟

https://news.yahoo.co.jp/articles/8653e0772d137e96bf25fff5202d1ede0de0c279


 政府の政策はどのようにして決まるのか。政策決定プロセス論は、政治科学の中でも難しい問題だ。これに関し日本では長らく「官僚主導」という言葉が使われてきた。先般、内閣改造が行われたばかりだが、そもそも岸田内閣の政策決定プロセスには、どのような特色と問題があるのだろうか。重要政策に関する会議に民間の立場で意見する「民間議員」に、資質と覚悟が求められると竹中平蔵氏は指摘する。


●橋本行革が目指した官邸主導


 日本経済が新しい局面に入った1990年代以降、官僚主導の是正が大きな課題となってきた。これを受けて橋本龍太郎首相の下で重要な行政改革案(97年12月最終報告)が作られた。いわゆる橋本行革は2001年の中央省庁再編に集約されているが、その根拠として最終報告には重要な問題として以下の3点が記されている。


①現代国家の要請する機能を果たすためには、内閣の「首長」である内閣総理大臣がその指導性を十分に発揮できるような仕組みを整えることが必要

②内閣及び内閣総理大臣の補佐・支援体制として、内閣官房、内閣府及び総務省を置く

③内閣府の企画・調整部門には、民間や学界を含め広く行政の内外から優秀な人材を登用する


 要は、首相主導の政策を実現するために、首相を支える組織を作り、そこに人材登用すべきだ、と述べられているのだ。


 具体的に、内閣の重要政策会議として、経済財政諮問会議、総合科学・イノベーション会議など5つが挙げられている。これらは首相自らが議長を務め、民間の有識者議員が閣僚と同じテーブルについて政策を議論する重要な場だ。しかし気がつけば、岸田内閣では同様の重要政策会議や有識者会議が多数存在している。内閣の目玉政策に関して、「新しい資本主義実現会議」や「デジタル田園都市実現会議」がある。また近時話題に登ったところでも、防衛費負担の増加を議論した「国力としての防衛を考える有識者会議」、子供政策に関する「子供未来戦略会議」、などが存在する。気がつけば内閣官房にはこうした委員会の事務局などが合計して33存在している。そしてそこに、各官庁から(併任を含め)多数の官僚が派遣されている。


 首相の意思決定を支えるための内閣官房(セクレタリアット)がここまで肥大化しているのは驚きだ。これは見方を変えれば、省庁縦割りの官僚主導を是正し首相主導を支えるはずの内閣官房が、結果的に各官庁の官僚に乗っ取られた、と言えるのではないか。現実に、複数の政策会議で同じような議論が行われ、内閣としての戦略的なアジェンダも不明確になっている。結果的に“官邸主導”の希薄化(ダイルーション)を起こしているのだ。


 かつて小泉内閣の経済財政諮問会議にいくつかの分科会を置くべきか、議論になったことがあった。その時小泉首相は、「いや、大事なことは全て自分の前で議論してくれ」と述べて、政策会議の数を増やすことに反対された。多数の政策会議が乱立する現状は、行革最終報告が目指した姿とはかなり異なって見える。

政策論議か、陳情か?


 首相周辺の政策会議が乱立しているという問題と関連するが、そうした政策会議を構成する民間議員の数が非常に多いという点も重要だ。経済財政諮問会議のように、法律で人数が決められている場合を除き、総じて会議参加者の人数は多い。


 例えば、「新しい資本主義実現会議」には13名、「デジタル田園都市実現会議」には14名の民間議員が名を連ねる。一般論として言えば、多様な民間の知恵を導入しているということになろう。しかし現実に、多くの会議では民間議員1人当たり1~2分の発言が許されるのみで、あとは事務局が引き取ってまとめるのが常だ。こうした状況では、かつて批判された(官僚主導の)「隠れみのとしての審議会」と大差ないものになってしまう。


 さらに問題になるのが、こうした民間議員の行動である。一般に考えられている以上に、政策論議は難しいものだ。経済社会に対する深い見識、複雑な法律体系や過去の政府答弁への理解、政策プロセスにおける様々な障壁の考察などを踏まえた上で、極めて具体的な政策論議が求められる。首相や閣僚と同じテーブルについて議論する以上、相当の努力と覚悟が求められるはずだ。


 確かに、こうした役割を立派に果たしている民間議員も一定数はいる。しかし現実に、民間議員発言を見る限りその相当部分は、自分の個人的な経験を述べて政府に曖昧な「お願い」をする、といった内容が多く見られる。公表されている会議の議事録を見れば、民間議員の発言の末尾が「…よろしくお願いします」となっているケースが多いことに気づく。つまりこれでは政策論議ではなく、単なる陳情であり、関係者ヒアリングになってしまう。ヒアリングなら、事務方が取りまとめれば良いので会って、総理や閣僚とテーブルを囲んで行う必要はない。そして残念なことに、一部の民間議員に見られる特徴として、会議で陳情し、官邸で記念写真を撮り、自らの経歴に誇らしげに掲げる、という行動がとられている。


●民間議員の覚悟と使命感


 考えてみれば、政策論議における民間議員の役割は、株式会社における社外取締役と類似したところがある。コーポレート・ガバナンス(CG)を強化するために安倍内閣ではCGコードやスチュワードシップ・コードを定め、結果的に社外取締役の数は増加した。上場企業の場合、社外取締役を2名以上置くことが事実上求められており、こうした取締役の「数」は大きく増加したのだ。しかし今、社外取締役がどの程度ガバナンスに貢献しているか、その活動の「質」が問われている。


 チャールズ・レイク氏が著した『社外取締役の兵法』(日本経済新聞社、2020)によれば、「企業が社外取締役を選任することは劇的に浸透しているが、その本質は『数』ではなく『質』」であることが指摘されている。また求められる資質として「ガバナンスや経営に対する知見」「精神的な独立性」など、5つの視点が挙げられている。その背後にあるのは、戦略や戦術ではなく、当人の強い「覚悟」が必要だという点だ。これらは、政策会議における民間議員の在り方にも当てはまる。


 01年の行政改革から、すでに22年が経過している。首相主導の政策決定、民間からの人材登用という方向の重要性は、今後もますます高まってこよう。しかし実際の姿は、当初期待されたものから次第にずれてきている。強かな官僚が内閣官房を乗っ取り、期待された民間議員には一国の政策を担うという強い覚悟と使命感が感じられない。


 岸田内閣の下で、防衛費の増強、原発再稼働の拡大など、現実的な政策が進んでいることは評価できる。しかしこれらは、以前から関係官庁が主張してきたことが粛々と進められているにすぎない。社会保障の抜本改革や経済成長を進めるためのブレイク・スルー型の構造改革は、遅々として進んでいない。最近の世論調査では、岸田内閣の支持率に関し、政策の中身に対する厳しい評価が目立っているが、これは肥大化した内閣官房を官僚が主導し、一方で民間議員の貢献が不十分であることを象徴的に示しているのだろう。


 首相を支える政策会議が本来の役割を果たしているのか、そして民間・学界から登用された人材は十分な役割を果たしているのか、引き続き厳しい目が向けられなければならない。そしてその先には、橋本行革を超える新しい行革の断行も、真剣に検討されねばならない。


竹中 平蔵



( 123700 )  2023/11/16 21:36:30  
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gap********9/26(火) 13:08

官邸主導とは言うが、気に入った官僚を官邸に集めて、政策を練らせている。以前とちっとも変わらない官僚主導だ。官僚とは自己保全の虫 国民に寄り添うってのは初めから無理な話だ。5年後10年後を語る政治家がいなくなったことがこの国の最大の不幸だ。もはや誰がやったって立ち直れず、緩やかな坂をゆっくり下ってゆくほかはない。もう取り返しはつかない。

xks********

元官僚で国会議員の人たくさんいるよね。結局、府省庁とズブズブな関係になるわけで、これはもう歯止めが効かない。

誰か止めてくれ。

これって、みんなが選挙に行かないと変わらないのよね。

saj********

何か有っても官僚が責任取る事はないからね

何か問題が有れば総理や担当議員が責任取れば良いだけだから

でもやらかした総理や議員は辞職とかしないんよね

gre*****

5年後10年後を見据えて票を投じに行く有権者が半分しかいないからね。

cva

官僚について多少勘違いが多い。彼らはしのぎ(ヤクザのしのぎではない)を削ってやってることも多い。犯罪に絡めばほぼ免職。ノーパンしゃぶしゃぶなど有ったが、似たことは他の一流会社でも有るはず。害悪はむしろ内閣人事局による行政独裁。極めて問題。日本が凋落の道を辿り始めた。もっともアメリカにトランプが出たように日本は一度こんなことになる宿命。民主主義のあだ花。民主主義進展のための試練。

wes********

岸田の指導力の無さが見事にリンクしている。あらもこれもと力量を超えて手を出し全て中途半端、全くと言っていいほど結果を出さずあっちにフラフラこっちにフラフラ。コアになる政策は皆無である。その反面無駄遣いは甚だしく一人で国家予算1年分使っている。この総理の目的は日本滅亡なのかと疑いたくなる。組織はトップ次第、トップがボンクラだとその組織は終わり。反対に有能だと恐ろしい強さが発揮される。岸田は客観的に自分を冷静に見直して力量の無さを認めて潔く降りるべき。これ以上続けると本当にキング鳩山を抜いて21世紀の最もダメ総理に君臨する事になるだろう。できない事を出来ないと素直に認めることとそのタイミングも政治である。

lgl********

国民から税金を取る方法を細かく制度を決め!

自分達には給料以外に月に自由に使える金が100万円も入り、明細すら要らない!こんな理不尽な事国会議員はどんな気持ちで決めるのかな。本当に国民の事、将来の日本の事考えている議員が居るのかな!悲しい気持ちになる!

o07********

そんな議員はひとりもいないと思います。議員全交換しないとダメですね。

maf********

政治家が何をしているかって、己の利権拡大と老後の安泰くらいなもの。何もしなくても報酬貰えるのだからモチベーションも何も無いだろうし、そこから見直す時が来てると思うね。今の政治体制じゃ日本は更に落ちぶれていく。革命が必要だよ。

hga********

珍しく、一面の真理だと思った。

民間議員と言う言葉は選挙を経ていない以上使うべきで無いと言うのはさて置き、彼らがだらしないのは事実だろう。

ただ、それは彼らの覚悟が足りないせいなのか。

権限と責任はどうなっているのか。

各省から出張ってる官僚の出しゃばりを政治家はどうコントロールして居るのか、何故そんな数の官僚が参加するのか。

これらがはっきりしないと、どんな発言もいい様に使われるか、出身母体の利害に囚われるか、事なかれになるか、だろう。

そもそも、この期待される役割は本来議員が果たすべきもので、代議士の名が泣く。

tak********

強い覚悟があるなら立候補し、国会議員になるのが筋。民間の立場を残し、国の政策の自らの会社に有利な方向へ進めたり、同業他企業より速く制度変更を知る事もできよう。そのようないいとこ取りは不幸デジカムない。

実際、何故かこういった民間議員の出元企業のほとんどが政府支出に群がるハイエナとなり、政府支出を食い潰しているのは自明の理ある。

それでなりてがいないならそれはそれで結構な事である。政府の役割は民間とは相容れないものであるから民間議員は必要ない。民間の知識や専門性が必要であれば、その都度招いて話を聞けばよいだけで国会議員でもないなんの開示義務もない民間人が政府が行う政策決定を誘導するような言論は、個人や組織で国の機関とは別のところで自由にやればよい。

fuj********

「原発の再稼働や軍備の増強など現実的な政策が進んでいることは評価できる」?岸田は強引に押し切っているだけでこんなもの全く評価できないと思いますよ。従来から慎重に扱われてきたのはどの課題も副作用として大きなリスクを伴うからで、岸田はそれらを無視して進めているだけです。リスクが顕在化した時岸田はどうやって国民に詫びるつもりなのでしょう?

ton********

まったくそのとおり!

658

民間議員なんて与党の息のかかった連中の集まりで、オカザリでしょう。

海外に数兆円ばらまけるスキームを誰が作成してのかも

詳らかにしてほしいし、絶対にキックバックはあると思うよ。

メデイアも10万円の違法献金より、こういった大きな闇を

照らす取材を命がけでやってほしいね。

win********

民間議員と言っても嘗て竹中平蔵氏が日本の銀行を守るために公的資金を融資した。

しかし、地方銀行は守ってもらえなかった。

更には国庫に返済しなければならない借金があっても、自民党への献金は行われていた。

そんな金があるなら国庫の返済を優先すべきだろう!!

公的資金の融資は結果的に自民党への迂回献金となっていた!!

愛国芯

選挙時に、最高裁判所裁判官のように要らない国会議員の選択権が欲しい

そうなれば、選挙区関係無しに罷免できる

怖いものだが、今こそ必要ではないだろか

あと、閣議決定権の廃止も望む。


rem********


税金無駄遣いしているのは一番は政治家。

そこにメスを入れずに国民から獲る政策ばかり。

経済対策の中に減税はなかった。

やっぱり何も変わらない。



自民党の負の遺産である少子化、年金問題。

これらの責任も誰も取らない。



何も支持する要素などありません。

支持率30%って支持しているのがおかしい。


sjo********


民間企業では従業員に労働の対価として給与を与える。

そして従業員の功績で売上・利益が伸びれば、従業員の所得へと還元

する。そうして全体の士気も高め、より業績を伸ばしていく。


売上は伸び更に利益を増やす為に、仕入れ先を叩きまくり、

従業員の所得を削りまくる企業が業績を伸ばし続けるか?

毎年そんな事続ける企業は衰退していくと考えるが。


我が国の政治家のセンセー達は、国家規模で後者を推し進めてるとしか

感じられない。しかも己等の報酬・既得権益・身内に甘い汁には

一切触れる事は無い。

岸田政権では過去感じた事のない「この感情」を持たざるを得ない。


a_s********


そもそもの能力を兼ね備えてないのだから国会議員はこんなに人数いらないし高い報酬を払う必要も無い。

もっと国民の為に働けないのなら仕組みから変えて欲しい。


akk*****


民間議員って結構いい加減に決められてそう。三浦瑠麗とか成長戦略会議で夫の会社に協力してたんでしょ。もうちょい厳しく規定を作ったほうがいい。海外工作員みたいな人が入り込むリスクも極めて高い。


eye********


官邸主導って、結局政権のお気に入りを処遇したり、出身政党の利権を優先したり、良いことばかりでもない。かと言って官僚主導だと、変化に乏しい。官邸官僚協働でいいんじゃないかな。


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内閣改造で真っ先にしなければならないことは大臣、副大臣、政務官の人事ではありません。

総理大臣の交代です。

この自分自身が低支持率の一番の原因だと気づかない時点で、改造したところで詰んでます。


mok********


首相含めた政治家や官僚、ほぼ全てが自分の事しか考えてない様にしか見えない。

今の政府の運営や議員の資質をきちんと見直して修正していかないと、100年後日本は植民地になっているかもしれない。


ko******


岸田君には根本的に国をデザインする気概も能力もない

加えて実務経験ゼロで理解もない訳だから、官僚が良いようにやっているのを気付いてか気付かずか分からないが、オーガニックにやらせているだけ

基本方針が曖昧で、下手すると反国民的なのだから出てくる結論もそうなる

憂国だよ


トシボー


能力、知力、志、ともに無い世襲議員を地域から出す、ということは、その地域のごく一部の利益を得る輩が、地域の馬鹿な庶民を騙し踊らせ、国を滅ぼす、ということです。

地域の皆さん善人ヅラした後援会重鎮に騙されてはいけません。

奴等は金のため。あなたは未来を考えましょう。


xah********


御用議員だけ集めて、会議をやってる感じを出してカネ撒いて抱き込んで、肝心なとこは閣議決定で決めてしまう。或いは結論ありきの発表会。役に立たないので希薄化するのは当然。







 
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